製品詳細

淡水(てんから、たなご、わかさぎ、鯉)

江戸川 てんから竿(並継・インロー継)

 

こちらの製品は受注生産品となります。

お受けできる長さは3.0~3.9mまでです(ご注文を頂いてから1年ほどお時間をいただきます)

蛇口でもコブでもどちらでも使える仕様となっています。

ご希望の方はお問い合わせページよりご連絡ください。

 

矢竹/ 並継 3.3m ¥428,000(税抜)

※握り:桐

※穂先:布袋竹 穂持以下:矢竹

 

布袋竹 / インロー継 3.3m ¥458,000(税抜)

※握り:桐

 

※保管する際の湿度は60%前後を保つようお願いいたします。

 

 

¥470,800
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  • お届け日数:1~3日1

矢竹 並継モデル


布袋竹 インロー継モデル


 

矢竹を使用した並継モデルと、布袋竹を使用したインロー継モデルのテンカラ竿です。

全ての塗りに国産本漆を使用し、口塗りは「純金法塗り」で高級感を演出しました。

握りは桐を使用し、軽量で手に馴染みやすいグリップに仕上げてあります。

 

現在並継モデル3.3mのみ在庫しておりますが、長さ違いのもの(3.0m~3.9mまで対応可能)やインロー継仕様のものも承れますので、ご希望の際はぜひお問い合せくださいませ。

※天然の漆を使用している為、塗り工程や完全乾燥などに時間がかかります。ご注文を頂いてから1年ほどお時間を頂戴しておりますので予めご了承ください。

 



竹の刈り取り

1.竹の産地とその性格について

布袋竹は日本全国に分布していますが、弊社では[九州産]と[関東産]を使用しています。

また名前は同じ布袋竹ですが、九州と関東では「竹の性格」が全く違います。

これは単純に距離が遠いいことからDNAの違いがでていること、また気候や地質に起因するのではないかと考えています。

そのため九州と関東で使い分けています。

 


この「竹の性格」とは…

まず硬さが違います。

竹の竿に必要な反発力に差が出てきます。

千葉産はどんなに長くてもおおよそ4年で枯れてしまいますが、九州産の布袋竹は、寿命は永く8-9年の竹もあるといわれています。

(25年の竹もあったという説もあるようです)

 

竹を刈り取る時点では、竹の年数とともに手に取った重さで良質かどうかを見分けていきますが、刈り取ってから油抜きをして(油抜きは火であぶり表面の潤いを保つ成分を殺すため・苛性ソーダで抜く方法もあるが、折れやすくなるので竿にはつかいません)2年程度干した後に、水分が程よく抜けて「竹の性格」が劇的に変化し、良質の竹かどうかがわかります。

 

この良質な竹とは、竹の肉の密度が高く竿に必要な反発力が確り備わった竹ということになります。

残念ながら、この時点で柔らかく反発が無い竹は釣り竿にはならないということになります。

 

その後さらに3年程度枯らして、竿の素材として使えるようになります。

ですので、竹が生えはじめてから竿の素材になるまでは、最低でも5年近くはかかるということになります。

 

↑  竹の油抜きの様子



2.てんから穂先(#1)について

軽い毛ばりを遠くへ正確に飛ばし、ヤマメやマスなどの渓流魚を寄せるためには、竿の中で[穂先(#1)][穂持(#2)]の力が大切になります。

その穂先には布袋竹を使っていますが、1本の竹の穂先部分を単に切りとったものではなく、穂先がそのまま地面に生えている竹を刈り取ります(背の低い竹)

 

全国に竹林は多数ありますが、穂先に使える竹林は特にまれであり、その竹林を探しておき、最適な穂先を見つけ毎年何本かを刈り取り、干していく作業を繰り返して手持ちの素材を増やしていきます。

 

竿師は技術とともに代々素材を引き継いでいきますので、少しずつ性格の違う素材が増えていくことになります。

 



3.穂持(#2)について

そして穂持ち(#2)も穂先と同じく穂持ちに向いている別の竹林を探しておき、穂持ち部分の元が地面から生えている部分を刈り取り、先部分を切って穂持ちとし、切った先は廃棄します。

 

その竹林の中から最適な穂先を見つけ、毎年何本かを刈り取り、干していく作業を繰り返し、素材の手持ちを増やしていきます。

 



切組素材(材料の選定)

1.布袋竹の丸さについて

布袋竹の切断した断面は「D」の形をしていますが、穂先・穂持ともにできるだけ「○」に近いものを刈り取るときにも選別します。

これは丸い竹は力のバランスが均等に取れにとれること、あまり「D」の形が強すぎると折損してしまうおそれがあることなどから、丸い竹を選ぶようにします。

これも自然のものですので、ほとんど見つかりません。

 

 

〇穂先穂持ちの選別

和竿職人は、釣竿の設計図を頭の中で描き、上記の工程で選び抜かれた穂先穂持ちから、思い描く調子に近いものを選別します。

 

グラスやカーボン繊維はある一定の性質をもった繊維をエポキシなどで固め焼成するので、一定のものができあがりますが、竹は自然のもののためそのようにはいかないです。

それぞれの硬さやテーパー、太さを鑑みて、職人の経験と目利きの技によって、最適な素材を選んでいきます。

 



火入れ

1.竹竿の火入れについて

火入れとは、竹が釣り竿になるように竹に火を入れて、ため木でまっすぐに伸ばす作業です。

 

竹の火入れには、主に備長炭を使います。

備長炭で火入れをすると、他の加熱方法では表面だけに温度がかかってしまうのとは違い、竹の表面から内面にかけて、ほぼ均一に温度をかけることができます。

均一に温度をかけ、釣り竿の性能に必要なしなりを無くすことなく、曲がりの修正することができます。

 

ただ、その火入れ加減は一朝一夕には体得することができず、数多くの経験を積み重ねできるようになる作業です。

 



漆塗り(塗装)

1.仕様材料と材質について

絹糸はメイドインジャパンを使用。

日本産の本うるしには、乾きにくいウルシオール成分が多く含まれているものは透明感が高く、乾きにくく、塗り直後の硬さは柔らかいですが、中国産より1年後の表面硬度が高くなります。

そのため胴塗りはすべて日本産を使い、逆にウルシオール成分の少ない乾きの早い芯渇きの良いうるしはすげ口などにつかっており、性質を理解したうえで材料の使い分けをしています。

 


2.仕事の丁寧さについて

竹竿は、釣り使用時には必ずしなりが発生します。

すげ口や目打ち作業、同ふき塗などの塗装作業は、数十回の塗装を重ねた上で最後に仕上げ塗をします。

これは経験上丁寧な仕事をすることにより、竿が長持ちすることにつながります。